あなたの仕事は、誰のためにやっていますか?

あなたの仕事は、誰のためにやっていますか?

現場ではよくこんな声が聞こえてきます。

> 「上司が自分の意見を聞いてくれない」
「現場のことを理解していない」
「あの人には人の気持ちがわからない」

 

どれも、真面目に、まっすぐに仕事に向き合っている人ほど感じる不満です。
そして、よく話を聞いてみると、たしかに理不尽だと思わざるを得ないような出来事もあります。

でも今日は、そんな状況に感情的にならず、賢く乗り越えるための“ちょっとした視点の切り替え”をお伝えしたいと思います。

「正しい提案」が通らないのは、なぜか?

ある時、現場の生産性を上げるために、私は改善案を立てました。
現場作業の負担を軽くし、コストも削減できる。数字にも根拠があり、自信のある内容でした。

ところが、上司の反応はこうでした。

> 「そんなにうまくいくわけがない。俺の言う通りにしておけ。」

 

え? と思うかもしれません。
でも、こういうことって現場ではよくあるんです。

上司が誤解しているのかもしれない。あるいは、別の価値観をもっているのかもしれない。
とにかく、私の「正しい提案」は、却下されました。

感情を飲み込んで、一歩引く。でも、あきらめない。

ここで腹を立ててぶつかっても、意味はありません。むしろ悪化します。

だから私は、一歩引いてこう言いました。

> 「ご指摘ありがとうございます。また良い案が浮かんだら、改めてご相談しますね。」

 

一旦引く。そして、もう一度考えるのです。

上司の“価値観”を読み取ってみる

そのときの上司は、現場に対して「どうせすぐ壊す」「すぐ楽をしようとする」というネガティブな先入観を持っていました。

そのため、私が「作業者の負担を減らすために、便利な工具を導入したい」と言った瞬間に、もう耳を閉じていたのです。

そこで私は、まったく違う角度から再提案をしました。

> 「このツールを使えば、人によってばらつきのある作業が標準化されて、品質の安定につながります。新人教育の効率も上がります。」

 

この提案には、「壊す・壊さない」「楽・苦労」といった話は一切入れていません。

上司が気にしている“ばらつき”や“品質の安定”に焦点を当てたのです。

結果、案は通りました。

「伝え方」を変えれば、道は開ける

私たちはつい、自分が「正しい」と思うことをそのまま伝えたくなります。

でも、上司にとってはその「正しさ」よりも、「自分の価値観と合っているか」のほうが、判断基準として強く影響することがあります。

だから、相手の視点で再構成することが、提案を通す鍵になるんです。

仕事の本当の目的を、忘れないで

どれだけ上司に腹が立っても、あなたの仕事は上司のためにやっているわけではありません。

現場の仲間のため
製品を受け取るお客様のため
そして、「もっと良くしたい」と思っているあなた自身のために、働いているんです。

だからこそ、自分の正しさにこだわりすぎず、「どう伝えるか」に知恵を使いましょう。

アドラー心理学に学ぶ視点の切り替え

心理学者アルフレッド・アドラーはこう言いました。

> 「他者の課題に土足で踏み込まない。自分がすべきことに集中する。」

 

これは「課題の分離」と呼ばれる考え方です。

上司があなたの提案をどう受け取るか、それは上司の課題。
あなたがやるべきことは、「伝わる工夫」をして、自分の信じる改善をあきらめないことです。

最後にひとこと

「現場の声が届かない」「上司が分かってくれない」——そんな経験は、誰しもあるはずです。
でも、それをただの愚痴で終わらせず、工夫に変えていける人こそが、未来のリーダーです。

あなたの言葉が、誰かの働きやすさや、気づきに変わる日が必ず来ます。
だから、焦らず腐らず、今日も一歩ずつ積み重ねていきましょう。

あとがき

共感いただけた方、似た経験をしたことがある方、よかったらコメントやメッセージで教えてください!
「こんな時、どうしてますか?」などの相談も歓迎です。一緒に考えていきましょう。

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