なぜ新しい改善は反発されるのか?
新しいことを始めるのは難しい。
工場でも日々改善活動が行われていますが、良かれと思って始めたことが裏目に出たり、目的は達成できても別の問題が発生したりすることがあります。
ときには災害につながるリスクさえある。だからこそ、リスクとリターンの見極めがとても重要になります。
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新しいことを始める時によくある「抵抗感」の正体
先日私の工場で、生産性を上げるために新しいマシンを導入しました。
2つの工程を1つにまとめ、20%の生産性改善が期待できる取り組みです。
ところが現場リーダーから返ってきた言葉は、
「生産が忙しくて説明を受ける時間がありません。」
一見もっともらしい言い分ですが、実際には「新しいことへの抵抗感」から出た言葉でした。
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似たような場面はありませんか?
「金額が高いから買えない」
→ 本当は「効果に見合わない」「安く仕入れる方法がある」など、別の理由があるはず。
「忙しいからできない」
→ 実際には「やり方が変わるのが不安」「慣れた方法を崩したくない」ことも多い。
このように、瞬間的な言い訳で新しい挑戦を拒んでしまうことは、どんな職場でも起こりがちです。
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信頼を得るために大切なこと
大事なのは「納得できる理由をきちんと伝えること」です。
言う側も言われる側も、感覚や思いつきだけでやりとりするのではなく、説得力のある説明を心がけることが信頼につながります。
目的は何か
メリットとデメリットは何か
なぜその判断に至ったのか
これらを整理して伝えることで、相手は安心し、協力してくれるようになります。
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まとめ
新しいことを始めるとき、最大の壁は「リスク」よりも「人の抵抗感」です。
だからこそ、説得力ある説明で相手の不安を解きほぐすことが、改善を進めるカギになります。
「ただ拒否する」のではなく、「理由を伝える」こと。
それが信頼を積み重ね、良い仕事を任せてもらえる第一歩になるのです。