動かない部下たちへの対応法
チームリーダーや課長など、部下を持つ立場の人にとって、
「部下が思うように動いてくれない」
「優先して欲しい仕事が後回しになっている」
そんな場面はよくあるのではないでしょうか。
もし全く思ったことがないのだとしたら、それは部下の動きを気にしていないだけかもしれません。
しかし、部下をしっかり導きたいと考えるリーダーほど、この問題に直面し、「どうすれば思い通りにチームを導けるのだろう」と悩むものです。
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工場で起きた出来事
品質管理の社外監査が控えていました。
監査では文書管理がきちんとできていることが求められます。
そこで上司は部下たちにメールで指示を出しました。
> 「今あるマニュアルをレビューして整理しておくように」
ところが、迎えた監査当日。
結果は散々で、マニュアル整理はほとんど手つかず。
指摘事項は山のように出てしまいました。
上司は大激怒!
> 「すぐにマニュアルをチェックしろ!来週から毎日進捗を報告だ!できないやつは査定に響くぞ!」
部下たちは大慌てで作業に取りかかり、あっという間にマニュアルチェックを終わらせました。
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この話の問題点
さて、この話の本質的な問題はどこにあるでしょうか?
部下たちは決して能力がなかったわけではありません。
むしろ、やればすぐにできる力は持っていたのです。
問題は、その力を「発揮しなかった」ことにあります。
つまり、部下が動かなかったのは能力不足ではなく、
仕事の優先順位を誤った
指示の重要性を理解していなかった
危機感を持たなかった
といった理由だったのです。
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リーダーが考えるべきこと
このような場面でリーダーが学ぶべきなのは、
「どうすれば部下が自発的に力を発揮できるようになるか」という点です。
厳しい叱責や査定の脅しで動かすこともできます。
しかし、それは一時的な効果に過ぎません。
本当に大切なのは、普段から部下に「なぜこの仕事が重要なのか」を理解させ、危機感や意義を共有することです。
それができていれば、監査の直前になって慌てる必要はなかったはずです。